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背 景

46億年といわれる地球の歴史の長さは人類の歴史の比ではありません。長い時間の中、地球全体が氷に包まれるような氷河期と間氷期を繰り返し、その途方もなく長い時間の中で海面の高さも変化してきたのです。現在、我々は将来の海面上昇が地球規模の気候変動で今後、数十センチメートルに上昇することさえ危惧していますが、地球の歴史では、海面の高さが今より200メートルを超える時もあったことが明らかにされています。今後、地球上で海面上昇が5メートルや10メートルになるとしても驚くことではないのです。逆に、その程度の高さになっても大丈夫な都市を今から考えて建設することが求められるのかも知れません。水害に強い都市建設こそ、新しい都市造りの考え方の第一歩といえます。

近年、持続可能な社会構築を目指し温室効果ガスの排出規制等の取り組みが世界中でなされていますが、地球温暖化等による海面上昇の回避は簡単ではなく、陸地の水没速度はさらに加速していくでしょう。さらに、地球温暖化の影響で巨大化した台風による高潮や高波、そして局地的な集中豪雨などが都市の洪水被害を増加させます。一方、都市にはゼロメートル地帯と呼ばれる地盤面の低い場所が数多く存在し、また、これらの地域の多くは、河川や海に面しているため、危険と隣合わせの状態にあります。今後、温室効果ガス等の規制で多少の地球環境が改善したとしても、地球規模での災害は増加の一途をたどるでしょう。そこで地球規模の災害が起こりにくい社会生活基盤を今から造っていく必要があるのです。

一方、地球表面の7割を占める海は、太陽エネルギーにより海水の蒸発を繰り返すことで雲を生成し、大量の水滴が雨となって地上に降り注ぎます。海水が蒸発するとき、塩分は抜き取られ、淡水と変化し、この淡水は多くの森林に降り注ぎ、また地中の中にて水資源として蓄えられます。この地下水の一部は湧水となり河川と合流して流れ出て、ついには海に戻っていくのです(水文大循環サイクル)。人の集まるところに大量の水が必要となり、水道システムが誕生しましたが、古代ローマなどの水道遺跡が今も残されています。現代の近代水道システムには改良に改良が加えられてきましたが、基本的に古代と同じ水道システムで、プロセス自体は何も変わっていません。今後は、都市に7割以上の人間が集中すると言われます。果たして今の近代水道システムに、大都市のさらなる淡水の供給を委ねていいのでしょうか?

これまで、保水能力の高い森林が水を蓄えてきましたが、水源地のためのダム建設はこれらの大切な森林を破壊しつづけています。これは、“鶏の生む卵を食べて生きてきた人間が今度は鶏を食べてやがて食べるものがなくなる”ことに等しいのです。今こそ、自然破壊を無くし、人類の持続可能な水供給システムを作り直す必要があります。しかし、大都市は、大量に水の確保が必要であることは間違いありません。それには、北海道大学名誉教授の丹保憲仁博士が指摘しているように、現代の先進国を中心とした繁栄を享受する状況から地球環境容量や資源量の限界を認識し、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄に支えられた生活からの脱皮を目指すことが大切です。そして、都市における今後の水不足を補う必要性があることから、都市の貯水能力を高めるために都市周辺に広大な溜池(環境湖)を建設することを提唱しています。本構想も、この“自ら必要とする水は自らで補う”という丹保博士の考え方に基づいています。

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