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都市計画の視点(江東区計画1)

1.動線計画

本計画地の北側からの幹線道路によるアクセスは、都営新宿線東大島駅からの都営バスが走る番所橋通り、西側からの幹線道路は、江東区の南北を突き抜ける丸八道路と直行する清州橋道路および、その南側に位置する葛西橋道路(荒川にかかる葛西橋を通り葛西駅方向に繋がる)などがあるが、本計画では、基本的にこれらの幹線道路を生かすこととした。しかし、清洲橋通りと番所橋通りの接点、および葛西橋通りに繋がる南北方向のバイパスを一本化するなど道路の一部変更を行っている。

現在の江東区内の主な動線
Fig.1 現在の江東区内の主な動線

江東区水上都市内の主な動線
Fig.2 江東区水上都市内の主な動線

道路以外の交通機関として唯一の軌道交通は、計画地の南側を東西に走る地下鉄東西線があり、その南砂町駅は、本計画地の玄関口で、通勤、通学の拠点の一つとなっている。他に本計画で造成された水路を利用して、水上バスが行き来きできる水上交通網を張り巡らす計画とした。この水路は、北は小名木川と繋がり、南北を貫き地下鉄東西線南砂町駅付近にある商業施設区域と結ぶことを考える。この小名木川は、西に扇橋閘門を介して隅田川と、また東は、荒川ロックゲートを介して荒川と繋がっていることから、極めて便利な水上交通手段として、水上バスの運行が可能で道路に次ぐ補助的通行手段として考えることができる。

一方、この水路は閘門を介して南側のオフィス群のある水域、さらに南下するとマリーナに抜け、最後には新砂水門を出て東京湾に至る。また小名木川は、JR亀戸駅とJR錦糸町駅の中間を貫く横十間川に繋がり江東区北部へのアクセス、また北十間川を利用して旧中川へも繋がる。当然、火災の場合、これらの水路を使った消防艇による消火も考えられる。

2.ゾーニング計画、都市施設

全体的なゾーニングの方向としては、オフィス群、商業施設、工場などは、計画地域の南側に集中させることとし、計画地の北側を静かなローカル型居住空間とする計画としている。 水域の北側地域には、江東区役所の出張所、集会所、公民館、銀行、郵便局、電話局、診療所、保険センター、消防署、警察署、防災センターなどの公共施設を一か所に集めたコミュニティセンターを住宅地の中心に集中配置(円形の浮体上建築物)することを考えた。

一方、地下鉄東西線南砂町駅北口前は、当計画地への玄関(アプローチの一つ)としての意味合いがあり、公園、バスターミナルを中心に、美術館、図書館など静かで落ち着いた緑の空間とし、その先には、水上バスの発着するハーバーを設けた。このハーバーの周囲は、高層の居住用マンションの他に、大型複合商業施設(スーパーマーケット、日用衣料品雑貨、大工用品、花屋ほか)と娯楽文化施設群(映画館、娯楽設備、スパ、スポーツクラブ、理容室、各種教室、ダンススタジオ、ショッピングモール )を配置し、人々の賑わう都市型の居住空間としている。南砂町駅バスターミナルからは、東西に幹線道路が走り、東側には浮体のオフィス群が立ち並ぶ。その先は、同じく中小の工場を集積した大型浮体の工場群としている。

西側の浮体ユニットと荒川の堤防を繋ぐ空中人工地盤は、杭で支えられており、人々が荒川の河川敷に行くアクセス動線となっている。南砂町駅からのみどりの遊歩道も荒川河川敷に向かって一直線に繋がっている(全長約1km)が、途中にオフィス群、娯楽文化施設群、工場群を横目に見て楽しむことができる。

最北部に位置する1棟の浮体式の超高層住宅(水上36階)は、4つの標準浮体ユニットで構成(100m×100m)された浮体で支えられているが、その内部は、水上にある魅力ある3次元空間の公開空地として居住者以外の人々にも開放されることを意図している。

江東区水上都市の施設群
Fig.3 江東区水上都市の施設群

また本計画地は、居住者のみならず外部からの訪問者も考慮に入れ、特に多くの人が集まると思われるマリンレジャー施設は、現在、船着場のある荒川沿い付近の堤防の内側に配置した。外部からの訪問者も利用するレジャー施設群には、15階建ての宿泊施設(現在の船宿に代わる)の他に中央部の建物は、遊覧船や水上バスの待合室、おみやげ屋、レストラン、娯楽施設などが入っている。レジャー施設群を支える浮体の内部は、駐車場の他に大地震などの災害時のための食糧保存庫、防災センターなどを備え、外部からの救援物資などへの対応ができる施設となっている。さらに南側には、セカンドハウスとしての利用も可能なリゾートマンション、その横には、プール、釣り堀など訪問者が遊べる空間と漁業組合施設も併設する。北側には、コテージ風の家が周囲を囲むプレジャーボートのためのハーバーを設けることにしている

3. 都市のインフラ設備・供給処理施設計画

都市の生命線である水上都市への電気、通信、ガス、水道の供給は、基本的には既存の道路網の地下に施設されている共同溝などの都市インフラを活用する。また、水上に建設される道路下部には、その延長部分の配管・配線がされ、浮体ユニットの配管・配線に連結させる。下水道についても同様に配管を結合させることとするが、雨水は、水域に直接流すように考えている。重要度の少ない変電設備などの施設は、時間の関係もあって特に計画を行っていない。

4.浮体上の道路システムほか

都市計画における道路網は、①幹線道路(通過交通を主とする主要道路でバスの運行を考える)、②街区内道路および③生活道路(ゴミ収集車、緊急車両などの通行に限定)から成るように考えています。ここで、街区内道路および生活道路は、居住者が車から解放され、生活を楽しめるように歩車分離を基本です。そこで、全ての駐車場は、ポンツーン内(水面下)に置き、またポンツーン内には道路網を張り巡らし、所どころ街区内道路からアクセスできるようにすることを原則としています。

浮体デッキ上の平面利用については、①一般道路、②生活道路、③集合住宅、④戸建住宅などを考えますが、集合住宅の1階ピロティ部分に、住民が普段利用するコンビニ、集会場や商店等の公共な施設を集合住宅の入口と共に配置しています。一般道路(幅8m、2車線)は中央部の短辺方向に配置し、生活道路や浮体内部を結ぶ連絡通路はそれと直角方向に配置する計画です。一方通行の生活道路は、緊急車両や生活上必要な車両以外の一般車両の通行を禁止とし、デッキ上の人々が安心して通行できるようにします。浮体へのライフラインについては、①通信、②エネルギー(電気、都市ガス等)、③上下水を陸側の共同溝より一般道路下部に設ける配管を通じて各建物に供給することにします。また浮体ユニット内部は、水密性の鋼構造物に囲まれた区域が駐車場、バラストタンク、ライフライン配管、道路、浮体ユニットの浮力を補助する支柱などで占められます。なお、甲板の構造は、酸化防止の塗装された鋼材の上に雨水を通す軽量の被覆材が覆う構造を考えております。

浮体上の道路システム
Fig.4 浮体上の道路システム

浮体ユニットの立面図 浮体ユニットの鳥瞰図
Fig.5 浮体ユニットの立面図 Fig.6 浮体ユニットの鳥瞰図

浮体ユニットの平面図(左から デッキ上、標準浮体ユニットの連結図、浮体ユニットの内部)
Fig.7 浮体ユニットの平面図(左から デッキ上、標準浮体ユニットの連結図、浮体ユニットの内部)

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