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水循環型の都市

都市に人工的な水域を造り、生活水を確保することで、森林伐採や生態系の悪影響・上流のダムの依存を減らすことが可能になります。これは、地域の水循環を絶やさないようにするもので、水文大循環とともに、都市域における中循環そして各戸別の小循環を考えるものです。この際、都市の水域においては、流域の総合的な水質・水量管理(Integrated Basin Management)が重要な項目となります。さらに、幅を持った社会システムの実現に向けて、複数の浄化システムで浄化した水の選択肢がある水社会を目指します。複数の水源の活用を図り、代替え機能を確保するものです。このように、他の地域からの水でなく、都市の周辺の水を最大限活用し、循環させる都市自立型の分散型水システムを構築することを考えます。

一方、水を生かすとは ①節水、水利用の合理化 ②雨水の有効利用、下水処理水の再利用 ③下水処理水などの河川還流 ④災害時などに備えた身近な水源の整備などで、持続的な水利用・節水型社会の構築と水利用の合理化を図るものです。水利用の合理化では、都市で使用する生活水を、いわゆる3R(水のReuse, Recycle, Reduce)を駆使して、いろいろな水質レベルの生活水、例えば、水洗用水、冷却用水に再利用、厨房、手洗いに用いられた排水を処理し、水洗用水、冷却用水に再利用するかを考えます。

最終的には、使用した水はすべて再利用されることを目指しますが、暫定的に下水として水を河川に放流することも考えておく必要があります(下水道を通じた循環型都市構築)。

都市における選択肢としての水供給には以下の4つのものが挙げられます。

Case 1:遠方からの導水

近代水道システムの利用でなく、川の上流の水を川の中に設置された導水パイプで都市の人工水域まで直接持ってくるものです。この時、川の上流の水をすべて取り去るのでなく、あくまで、上流に置いても川の流れを維持させる流量を確保することが重要です。一方、都市の人工水域内では、導水パイプで運ばれた水と周りの汚れた水が混じらない工夫をして隔離しておきます。

Case 2:雨水の利用

都市に降る雨水を排除することから人工池に貯水(ストック)し、処理したものを生活水として活用します。この時、雨水タンクが必要ですが、溜め池の場合、大容量の雨水タンクを水中で設置することが可能で、しかもしっかりした構造にする必要はありません。平成26年5月に施行された「雨水の利用の促進に関する法律」も、この雨水の利用を後押しします。雨水を人工池にストックすることは、地下水脈への雨水の涵養機能で、雨水貯留浸透対策にもなるのです。

Case 3:再生水(中水)の活用

生活水として使用した水の浄化で再利用する再生水(中水システム)です。水の浄化を地域で行うか戸別の浄化装置(生物処理、物理化学処理)で行うかの選択が必要です。今後は、節水機器の普及や技術の進歩等により、各家庭で、使用済の排水を適切なレベルまで浄化できるようになるでしょう。また、戸別の水処理装置は、いくつかのレベルで処理できるようにします。例えば、簡単な不純物を取り除く程度の処理したものは、庭の水用とか、もう少し良好に水処理されたものはトイレ、さらにかなりよく水浄化されたものは、風呂、食器洗浄など、最上の浄化では飲料水にできる4,5段階での処理が各家庭でできれば理想的です。処理を地域全体でするのか、戸別の家庭でするかは地域の特殊性で決められます。しかし、すべての生活水が再利用できるとは限りません。生活で使用した水を最終的に放流する下水については、地域での浄化技術能力に依存します。地域によっては、下水とその処理は地域で行い、再利用するか、河川を通して海に放流するかを決めていく必要があります。

Case 4:井戸水(地下水)

井戸水を利用することは、地盤沈下の一因となるので注意が必要です。いかに地下水脈を保全するかが重要なテーマですが、人工水域では、地下水の涵養ができているのでそれに見合った汲み上げ量を保つ必要があります。地下の保水能力を維持させる意味でも、都市の流域における健全な水循環系の構築(水のフローとストック)が必要です。

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