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水問題

日本の水環境の現状を総括すると、地方自治体が上下水道を担って税金で何でも処理できる体制となり、無駄が多いことが挙げられます。我が国は、雨が多く降り水には恵まれていると多くの日本人が思っていますが、実際は逆です。確かに降雨量は多いのですが、わが国の人口は多く、人口1人あたりでみると、年約3,400㎥で世界平均7,100㎥の半分程度で、水資源は必ずしも豊かではありません。一方、我が国の食糧自給率が低く、1965年度にカロリーベースで73%であった食糧自給率が2012年度には、39%になっています。言い換えれば、現在は6割の食料が外国からの輸入に頼っていることになりますが、これらの食糧の生産には、穀物生産の農業にせよ、酪農にせよ多くの水が不可避であり、もしも我が国が自給自足するということになれば、さらに大量の水が必要となります。例えば、現時点での農業でさえ、必要とされる水の量は国民1人当たりで1日1,170リットルに相当します。食料生産には肥料が必要で、とりわけ牛肉を作るための量が抜きん出ています(1kgのコメを作るのに3,700リットルの水が必要なのに対し、牛肉の場合、実にその7倍である)。

一方、水道事業は膨大な借金の上、設備更新の時期が迫っています。更新にかかる費用は2025年に、上水で40兆円、また下水道で80兆円とも言われています。我が国では、さらなる税金を掛けて飲料水の質を向上させていますが、これらの水は、飲み水以外に、飲み水に比べて格段に大量の他の用途に使用されていることが如何に税金の無駄かという認識が我々にありません。近年、ボトルウォーターがおいしい水として水道水を脅かす存在になっています。ボトルウォーターは、1リットルあたり10~20万円ともいわれ、極めて高額(水道水の約400倍)ですが、人々に好まれています。ボトルウォーターに惜しみなく対価が支払われるようになった今、これに対抗して、さらなる税金を投入して水道水の向上に努める必要があるのでしょうか?

水道から水が出ている写真

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