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課題の解決へ

我が国のよき農村を見直す時、忘れてはならないことは、日本人の心には、昔から「もったいない」との思想が受け継がれてきたことです。この考え方こそ、我々人類が新たな文明を考えることの基本であると考えます。20世紀の大量生産、大量消費そして、飽食でなんでもいらなくなったら捨てる思想は、今後は許されません。特に我が国の河川は、欧米に比べ急で、上流で降った雨は幾つもの河川を経て短い期間で海に放出されてしまいます。すなわち、雨水が海に流出するまでの時間が短いので、淡水を海に放出させないためには、土木的な工夫が必要である一方で、水を大切に節約(節水)して使用してきた日本人の知恵も同時に働かさなければなりません。同じ水の使用でも、飲料水レベル、トイレを流す水のレベルなど、細かく管理して使用し、再利用も頭に入れることも必要です。水は天からのありがたい恵みであることを忘れてはいけないのです。
そこで、自然の水循環システムを回復させる都市の実現のため、洪水の危険性のある低い土地を中心に水域化して人造湖(環境湖)を多数造成して水を都市に蓄えることを考えます。水利用の収支を考えて、同時に、複数の井戸により地下水のくみ上げを行い、再び飲料水を含むあらゆる生活水として利用できる複合型の水供給システムを完成させます。都市の内部に水域を造成し、水田のように水を張り巡らすことで、都市に必要な水源の確保を行うことが可能となるのです。

一方、人造湖が造成されることで得られる水域上の広い空間を最大限に活用するため、水域上に浮体式の構造物を設置します。浮体式構造物を基礎とする都市に改造することで、生活空間を含め多発する水害に強い社会生活基盤を確立することができるのです。一般的に、浮体式構造物は、従来の大規模土木構造物のように水の力とまともに戦うのではなく、水の持つ力を受け流す構造物です。すなわち津波や高潮はもちろん、ゲリラ豪雨のように突然で大量の水量が押し寄せても、浮体式構造物は浮き上がって難を逃れることができ冠水はしません。また、この浮体式構造物は、高潮や津波などの水害だけでなく、地震などの自然災害に対しても安全です。さらに浮体構造物は、人工の水域のかなりの面積を覆い包むので、人工の水域内に存在する多量の水の蒸発を防ぎます。また、鋼鉄製の浮体構造物が老朽化し、交換する必要性が生じても、繰り返し浮体構造物を再利用できるので自然に優しいのです。

水上都市の模型写真

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