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持続可能な都市

持続可能な都市への再構築 ― コンパクトシティ

都市に人口が集中し始めたのは古く、例えば古代ローマやギリシャなどの都市があります。その後、都市は、商工業、交易など2次産業、3次産業などが中心となって経済、政治の中心となって行きました。人口がますます増えて、住宅、エネルギー、食糧そして水が大量に消費され、不足状態が引き起こされ始めたのは19世紀の産業革命以降です。さらに自動車の普及で住宅地が、次第に郊外へとシフトするようになると、都市は、都心―市街地―郊外―後背地というヒエラルキーが存在するようになっていきました。そして、中心部がスラム化して空洞化し、いわゆるスプロール現象により、平面的に広大で効率の悪い都市へと変化していったのです。このように都市がエネルギー的な観点から極めて非効率的であったため、効率的で住みやすい都市にするべく多くの都市計画家、著名な建築家らが理想都市像を提案するようになりました。しかし都市は生き物とも言われ、その時代の要求と共に変化します。いかなる天才がいかに優れた都市を設計したとしてもそれは恒久的なものにはなりえないのです。例えば交通機関で馬車が使われていた時代から蒸気機関、ガソリン自動車、航空機と新たな交通機関が出てくることで都市形態を大きく変化させます。これから100年、200年先の技術革新を予測することは不可能ですが、そのまま放置し、無秩序な都市となることは非効率、不便が伴うので、いつの時代でも、都市計画やアーバンデザインは不可避なものであります。

最近では、省資源化、省エネルギー化を基本にして、コンパクトシティなる考え方が出てきました。コンパクトシティは、都市を効率的なものにする観点から職住接近や歩行者優先、複合機能といった特徴を兼ね備えるものです。しかし、このコンパクトシティの概念にしても完璧なものでは決してなく、未来永久に持続可能な都市の設計ができるわけではありません。できれば、短期間で都市を自在に再構成できるようにすればよいのですが、都市を構成する建造物が土地に定着している限り、それは極めて困難です。そういった観点から、人工の池に浮かぶ浮体都市は、比較的容易に、しかも短期間でも都市の再構成が可能であり、また、不要になった建造物は簡単に撤去できます。一方、自然環境の再生と共存を考えた都市、すなわち自然との共生型都市に加え、無駄を極力減らすデザイン思想や建築ストック的な考え方(スクラップビルト、リノベーション、コンバーションにより都市の再活用を考える)からの都市計画手法が重要とされるようになっています。これらの思想は、コンパクトシティの考え方と同様に、持続可能な都市をめざした都市計画、アーバンデザインを行おうとすることが基本にあります。

城塞都市の写真

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