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江東区計画2

ケーススタディ2(江東区計画2)

想定地は、ケーススタディ1の最北部に位置する東京都江東区東砂町3丁目付近(東西に約400m、南北に約600m)に限定し、江東区計画案1の初期の状態を想定したものです。185,000㎡の水域に、標準浮体ユニット(全高4.5m、喫水3.0m、100m×25m)を44ユニット繋ぎ合せて居住地(水域での占める面積は、約6割)とします。想定人口は、約4,000人(約1,800戸) から5,000人(約2,500戸)で、現在(2010.6)の東砂町三丁目の人口5,364人(2,348戸)をほぼカバーすることになります。

人口密度は、現在の160人/haに対し、230人/haでやや高密度とし、その代わりに周りを広大な森林で緑化できます。
本構想で使用する鋼製の浮体構造物は、超大型の浮体構造物は、1990年代に日本の造船業界を中心に開発された実績のあるメガフロートの構造を採用しました。本構想では、この技術実績を基に、さらに浮体の下部に複数本の杭を打ち込み、浮体重量の一部を支える軟着低浮体システムを採用することで安全性を高め、通常時の浮体の運動をほとんどゼロとすることが可能です。

東砂町3丁目付近の模型写真 水域化後の状態の模型写真
Fig.1 東砂町3丁目付近 Fig.2 水域化後の状態

浮体基礎建設後の状態の模型写真
Fig.3 浮体基礎建設後の状態

メガフロートの写真
Fig.4 メガフロート

浮体都市基盤の概要

都市基盤を構成する1つの標準浮体ユニット(面積2,500㎡)を考えると、道路面積は、約700㎡、集合住宅が約400㎡、低層住宅が1,400㎡です。低層住宅は戸建12軒240㎡が1階建て、600㎡が2階建てとなることを想定します。また、集合住宅(30戸)は5階建で(総床面積1,920㎡)1階に店舗等(床面積400㎡)を考えます。浮体内部は、主に駐車場として活用する他、バラストタンクやポンプ室、機械室等を配置することにします。
超大型の浮体構造物は、1990年代に日本の造船業界を中心に開発されたメガフロートの実績があります。実際の海上に全長1,000mの浮体空港モデルを浮かべ、各種の実験、建設に必要なデータを得て、成功を収めています。本構想では、この技術実績を基に、さらに軟着低浮体システムを採用することで安全性を高めることにしました。標準浮体ユニットは、メガフロートと同様な寸法(100m×25m×4.5m、喫水3.0m)として、総排水量は約7,500トンになります。標準浮体ユニット上の建築物を合わせると、総重量は8,580tとなります。この総重量は、90%を浮力、そして10%を何本かの支柱で支えることとします。支柱の役割は、浮体ユニットの安定化と水平移動を抑えるためで、標準浮体ユニット上の建物は、許容最大積載重量(建物合計で5,450tの重量)から低層の戸建住宅12軒と高層集合住宅30戸(5~7階建で一部1階店舗)までとしています。

[参考文献]

T. Nakajima, Tetsuya Shintani and M. Umeyama, “A New Concept for Lower-lying Land Areas and Coastal Villages Safe from Natural Disasters”, Oceans’11, 2011 MTS/ IEEE International Symposium, Kona, Hawaii, September 19-22, 2011

Nakajima, T.; Umeyama, M. A new concept for the safety of low-lying land areas from natural disasters. Journal of Ocean Engineering and Marine Energy, 1(1), pp 19-29, 2015

T. Nakajima, and M. Umeyama, “Study on a Waterfront Urban Community in Lower-lying Land Areas”, Techno-Ocean 2010 International Symposium, Kobe, October 14-16, 2010

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