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22世紀に向けて

人類は、社会生活の効率を求めて集積された都市を形成してきました。多くの人々が都市に集まることで、多量の水が必要となり、古代ローマ時代は、大量の水を補給するため、長距離にわたって大規模な水道橋を建設し、常に都市に送水できる水供給システムを完成させたことはよく知られております。さらに近代に入り、産業革命以後の都市は益々巨大化して、人口が増加したこと、そして各種の機械の発明により、多量の水の処理や供給が可能となったのです。また、近代以降の工業化は空気等の汚染のみならず、産業排水、産業廃棄物などで雨水を汚染し、やがてそれは地下水の汚染も引き起こすに至りました。こうした状況から、しだいに地球の水供給システムの量的かつ質的バランスがくずれてしまいました。

地球上のあらゆる動植物は水を必要とし、事実、これらの組織内には大量の水が含まれています。このことは、穀物を初めとする植物性の食糧のみならず、家畜などにも大量の水がその生産に必要とすることを意味します。今後、ますます地球上の人口が増えると、食糧の確保に必要な水の量が必要となりますが、都市に埋め尽くされた地上および地下では、水の確保には限界が来ており、危機が迫っているのです。一方、産業革命以降、大量生産、大量消費のもと、大量の化石燃料の消費が費やされ、膨大なエネルギーの排出が地球温暖化を助長してきました。この地球温暖化により、海面上昇や異常気象など、現代に自然の猛威を引き起こす状況を作り出し、極めて憂慮すべき事態となっているのです。

人類は、19世紀の産業革命以降、入手してきた科学技術を盾に、自然への敬意の念も、恐れも忘れて栄華を誇ってきた感があります。科学技術の万能時代と錯覚した人類に対し、その驕りをあざ笑うかのように、近年、自然の猛威が繰り返される状況です。今こそ、人類の過去の歴史を振り返り、22世紀に向けて何をなすべきかを改めて考える時が来たと言えるでしょう。そこで、これからの時代の指針となる6つのキーワードについて考えてみることにします。

Noah's Vessel Concept Zero-emission Society
Disaster-resistant Lower-lying Land Areas Environmental Symbiotic City
Waterpolitan Community Market Principles
デュポン社による風刺画 市場都市のイラスト
*デュポン社による風刺画より  
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